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直接聞くこともできないし、ワン次郎に聞いてみよう。

jyanshi: 
categoryStory: 

一姫になにがあったのが知らないが、とりあえず身近にいるワン次郎に話を聞こう。 [ワン次郎]絶対あいつに直接聞くなよな。 [player]え?どうして? [ワン次郎]俺の顔の傷が見えないのか?この前聞いたら爪で引っかかれたぞ。容赦のないやつめ……。 ワン次郎の顔をしっかりと見てみたら、短い毛に隠れて引っかき傷が三つもある。まるで鋭い刃でスパッと切られたようだ。 ま、まぁ……一姫もそういうお年頃だし、今はそっとしておこうか……。変に勘違いされても困るしな。 しばらくそってしておいて様子を見るしかないか。 しかしそれからの数日で、一姫の逃げまわり体制は改善するところか、ますます悪化しているような気がした。そしてある日、一姫が服を泥だらけにして帰ってきたのを目撃した。 いったい何をしたらそんなことになるんだ。私は決心した。一姫を尾行して真相を暴こうと。 尾行作戦当日、ワン次郎と庭で世間話のふりをしていたところ、一姫は敢えて庭を通らずに神社を出ていったのを遠目に見た。私とワン次郎はお互いに頷いて、一姫の後をこっそりとついていった。 中央公園 一姫が向かった先は中央公園。毎日たくさんの子供が遊びに来て、いつも楽しそうな声が響く人気のスポットだ。一姫はなぜか子供たちが遊んでいる近くの草むらに入っていく。 公園に入ったものの、一姫はベンチ裏の木の陰に身を隠し、砂場で遊んでいる子供たちを遠くから見守っているだけ。//nそしてその後ろ姿を、私とワン次郎がもっと遠いところで見守っている。 その時、子供たちが遊んでいる方からサッカーボールが飛んできて、一姫の頭に直撃した。 [一姬]にゃ—— 動転した一姫はふらふらと草むらから出てきたが、ボールを拾いに来た男の子とぶつかった。 [男孩A]うわぁ!妖怪がまた来たぞ! 男の子が大声で叫んで、友達を呼び寄せた。 [一姬]私は妖怪じゃないにゃ! [女孩A]ほらあの耳と尻尾を見て!噂の人食いの猫又とそっくり! [男孩B]こわいこわい! キャッキャッとはしゃぎながら、子供たちが走って逃げていく。そのうちの何人かは石を拾って一姫に投げつけた。 私とワン次郎は急いで前に出て、一姫を守りながら、彼女を連れて公園を出た。 魂天神社 神社に戻ってから、さっきの件と最近の一姫の不審な行動について詳しい話を聞くために、一姫の部屋を訪ねた。 [player]子供たちが噂の人食い猫又って言ってたけど、そんな噂、一姫知ってる? [一姬]最近、変なネット記事があったにゃ……。「中央公園に人喰いの猫妖怪が出現」っていうタイトルで、一姫に似てる人の後ろ姿が写ってる写真も載ってるにゃ……。これだにゃ。 そして一姫は私のスマホをたぷたぷと操作すると、あるネットの記事にアクセスして見せてくれた。 一姫のスマホを見せてもらった。一姫に似てるもなにも、これ一姫の盗撮写真じゃないか!//n背景はたしかに中央公園だったが、当然のことながら人を襲うような姿も一切写ってないし、記事にも人喰いについては曖昧なことしか書かれてなくて、どう見ても怪しい。 [player]最近毎日出かけてたのって、これを見たから中央公園に? [一姬]そうにゃ……。一姫はこれでも巫女だにゃ。妖怪が現れるって噂を聞いたら、一姫が子供たちを守らないと!って思ったのにゃ。だから公園で毎日張り込みをしてたにゃ……。 [player]しかし子供たちには妖怪だと勘違いされて、落ち込んで私まで避けてたわけか。 [一姬]ご主人……。 一姫は悔しそうな涙を浮かべた目で私を見上げていた。こんなにつらい表情を見せる一姫は初めてだ。//nこれは一姫を狙った悪質ないたずらに違いない。詳しく調べる必要がある。でもどうやって調べれば……。 知り合いの力を借りる時が来た。