You are here

サターンがなぜ四貴人に興味を持つのか気になる

categoryStory: 

[選択肢] ・サターンがなぜ四貴人に興味を持つのか気になる ・サターンに知っていることを教える [プレイヤー]別に構いませんが……その前に、失礼ながらちょっと聞いてもいいですか? [サターン]ああ、遠慮は無用だ。わからないことがあったら何でも聞いてくれたまえ。 [プレイヤー]サターンさんは、どうして四貴人のことを知りたいんですか? [サターン]ハハ、これはすまない、すっかり失念していた。私の職業について話していなかったな……私は、宝石商なんだ。 [プレイヤー]宝石……四貴人との関係が、私にはまだよく見えてこないのですが……。 [サターン]フフ、おそらく、これは私のごく個人的な癖なんだがね。君も知っているだろうが、この世界には多種多様な風俗や慣習がある。その中の一つが、願いを込めて様々な「開運アイテム」を愛用する、というものだ。私は商売をしていく中で、東に行けば行くほど、その傾向は強まると気付いたんだ。そして、開運アイテムの中には宝石も入っている。 [サターン]たとえば一飜市では、アメジストが学業成就に有効で、ダイヤモンドは揺るぎない愛情を示し、ルビーを身に着ければいつまでも健康で長生きできる、等と信じられているな。そういう訳で、宝石商として、各地方の風俗や伝説についていち早く理解し、市場における需要を心得ておくんだ。 [-]確かに、サターンさんの言う通りかもしれない。精巧な美しさだけじゃなくて、どんな幸運をもたらす石かってことも、しょっちゅう話題になってる気がする。パワーストーンってやつだな。 [プレイヤー]つまり、サターンさんが四貴人の伝説を知りたい理由って……宝石の宣伝のため、ですか? [サターン]そういう面もあるといえばあるな。その地域の有力者達と協力してビジネスを行えば、結果的に私自身の知名度が上がり、事業の発展にも役立つという利点がある。だが、全てではない。 [-]そう言うと、彼は手の中のソーダを揺らした。振動につられ、細かな泡がいくつも浮かび上がる。サターンはその泡を見て目を細めると、突然声を低めて私に話した。 [サターン]最も重要な目的はな……人類はみな、知りたいという欲望を抑えられないからだよ、ハハ! 君も周囲の者から口々に噂や伝説を耳にしたら、背後にある真相や、伝説が伝説となった経緯について、自然と知りたくなるだろう? [-]それからサターンさんは、仕事の話を延々と続けた。私は辛うじて、「噂好き、これは人類生来のものだ!」という最後の一言だけ聞き取れた。 [プレイヤー]実は私も少し……。あ~、驚きました! サターンさんも私と同類の人だなんて、思いもよりませんでした。 [サターン]ハハハ、なんだね? 私がこんなに野次馬根性に満ちた人間だとは思わなかったかい? [プレイヤー]正直に言うと、ちょっと想像できませんでした。あなたは、一見すると厳粛で真面目な経済界を牽引する敏腕経営者のように見えますから。 [サターン]他の同業者達との知恵比べをする環境に長い間身を置き続けたせいで、このような癖が身についたんだろうな。もし君が良ければ、更に平凡な人間としての一面を君にお見せしよう。つまりその……私は君と既に友人になっていると思うんだが、どうかね? [プレイヤー]じゃあ、私も友達の好奇心を満たすために、頑張って真相を調べなくちゃですね。 [サターン]では、私達の友情に、乾杯。 [-]サターンさんは微笑んで手に持ったソーダを掲げると、私に向かって乾杯の動作をしてから、ひと口飲んだ。 [サターン]この甘酸っぱい果実の香りとソーダの組み合わせ、実にファンタスティックだ……ついつい一度に飲み干したくなってしまう。 [-]前にサターンさん、「自分の故郷にはオレンジソーダがない」って言ってたな。自分の生活環境の中ではごくありふれた飲み物だけど、それでも彼の気持ちがわかるような気がする。 [プレイヤー]お気に召したなら、次に「エテルニテ」にいらっしゃる際に、店内で作られたものを飲んでみてください。どんなに気を付けて運んでも、作りたての美味しさには敵いませんからね。 [サターン]実に心躍る提案だ。暇を見つけて伺うとしよう。 [-]サターンさんの家を出ると、一姫がいた。ぎらっと光る眼でこちらを見ている。 [プレイヤー]ど、どうしたの? [一姫]私、みんなが話してるのを聞いちゃったにゃ~。ご主人は天下一の英雄にゃ。カフェ一番のやり手のAにゃんが嫌がったデリバリーも、ご主人はやり遂げて、無傷で帰ってきたしにゃ! [-]ちょっと待て。いつそんなことに? いや……こう言うべき? どうして、サターンさんへのデリバリーがそんな危険任務扱いに? [プレイヤー]一姫、君が思ってるようなことは全然なくて…… [一姫]ふふん、そんなに謙遜しなくてもいいにゃ、ご主人! 一姫はわかってるにゃ! [-]こ、こいつ、まるで何も理解していない……。 [-]にぎやかな一日が過ぎ去った。自宅に帰ってきて、サターンさんとの約束を思い出した。明日のバイト終わりにでも、彼について行ってみようか。二階堂さんにはしばらく会えてないし、最近どうしてるのかも知らないんだよな。